今年の4月15日(形成外科受診編)
ツバメが泳ぐようにスイスイ飛び回るのを見かけるようになりました。
今年はツツジの当たり年? いつもは咲くことのない拙宅のツツジさん達(ほんと、全然咲かないんですよ)も珍しくそこそこに賑やか、季節の流れを感じますねぇ
さて、15日の続き。
予定通り検査を終えて形成外科へ向かいましたら、その日は珍しく1時間以上待った気がする。
胸の状態をチェックして「はい、いいですね、これでいきましょう」とお腹と胸の写真をいろんな
角度からデジカメで撮影。顔は入っちゃいませんね、多分
外来の診察室には撮影用のスクリーンがすでにちゃんと用意されており、写真を撮っている間は看護師さんがドアに鍵をかけてくれてました。
「14日からの入院で午後に健側の胸を型取りします。その型の中に取ったお肉を入れてつくります。
その後、夜になるかもしれないけど診察してもう一度手術の説明、手術当日はICUに入ります」
「ICUに入るんですか?」
「そうです。普通のベッドでは寝られないしね、どうしてもお腹がひっぱられる感じになるから
こんな形で休むんですよ」と先生がお腹をかばって屈んでる姿勢を。
「次の日部屋に戻って、次の朝から歩く練習(って言ったと思うのですが、その次の日の朝部屋に戻って歩く練習も始めます、って言われたのかも?ちょっと定かでない)。入院は8日から長くても10日かな。そのあとのことは日帰りでやっていきますからね」
なんて言われながら、背中にキズがあるかどうかも聞かれたけど、どういう意味があったんだろうかな、聞いてみればよかった。
「しばらくはお腹が痛んで歩くのがちょっと大変ですが、帰る頃には普通に歩けるようになってますからね」
お腹はこういう感じになります、と下腹とその上をちょっと引っ張られる。
しめしめ、出っ腹が引っ込みそう
「あと、他になにか聞いておきたいこととか、ありますか?」
うーん。特に思い浮かぶこともなく。これまでいろいろ教えてもらってるし。
「胸のハリ感とかどうですか?」
「張っている感じは相変わらずわからないです。たまに痛いときとかあるけど」
「肩とかは大丈夫? 凝ったりしてませんか?」
「あ、それはあります。この頃はずっと肩が凝ってて頭が痛くて。先週は毎日頭痛薬も飲んでたんです」
「頭が痛くなるほど?」
「はい。左の肩は腫れちゃうし、右もなんか腕が痛かったりして」
「ああ。それは今、バランスが悪いでしょう。そのせいだと思いますよ」
「え、そうなんですか? てっきり歳のせいだとばかり思ってたんですけど」
「歳のせいとかじゃないですよ(←と断言してくれちゃったりして、なんて優しい先生なのでしょう!)
それだけバランスが違えば普通でない状態ですから、どうしても負担がかかってくるから。
肩が凝って痛い、って言われる方は多いですよ」
「胸の創はどうやってきれいになるんでしょうか? 写真とか見ると全然目立たなくなってますよね」
「あれ、胸のキズひどかったっけ?」なんて言われて。
(…だって、先生、前に縫い直す、って言ってくれてたじゃん、形成と外科の縫合は違うから、って)
「ケロイドみたいになってはないですけど」
「そうですよね、ケロイドにもなってないし、イズミさんのはキレイな方です。でも、気になります?」
なんて言われて、もう一度キズを診てもらうと。
「あー、確かにここ、ギザギザになってますねぇ。じゃあ、キレイにしたほうがいいかな」
なんて言われて看護婦さんも一緒にブンブン頷いてくれる。
「そうだ、先生。全然関係ないんですけど」と手のひらを開いて見せて。
私の人差し指には2,3歳の頃にカミソリで切ってしまったのを縫ってもらったあとが残っている。
当時、外科の看護婦をしていた叔母のところに母が急いでとんでいき、ビンボーだった我が家は突然のことに医者に診せることも大変だったそうで、叔母が先生に内緒で慌てて縫ってくれた痕。
母と叔母、どんな思いで幼子の手を見つめていたのか。
幸いなことにパッと見、手を開かなければそれが人にわかることはないし、第一関節を自分の意志で曲げることはできないけれど、ほかより多少太くなり先に向けて少し曲がっている程度の指は生活するのに特に支障はない。
「ああ、これは…。うーん、中の腱が切れちゃってるんでしょうね。手術してみても、うーん、ちょっともう難しいかな」
「生活に支障ないから先が曲がらないのはべつにいいんですけど、まっすぐにならないかな、と思って」
「赤ちゃん?2,3歳? ちっちゃい頃のことだから、腱を結ぶのは難しかったんでしょうね」
(先生にはそんなこんなの事情は話してません)
「これでもう、ずっときてることだからね。この状態がずっと続いてたわけだから」
「ああ、そうか、そうですよね。もう50年もこのままできましたから」
「え、50年?(電子カルテを見て)あ、本当だ(笑)
でも、やってみる価値はあるかもしれませんよ。うん、やってみる価値はあるかも」
とはいえ、そんな相談してみたところでしばらく手術すれば家事ができなくなるだろうし、現実には難しい。
胸の再建と同時にやってもらえたらありがたいけど、そんなわけにはいかないもんね
では、よろしくおねがいします、ということで診察室を後にして。
廊下で看護婦さんに入院についての注意事項等を聞き、予約センターで入院予約してその日は終了。
だけど、私、後でちょっと失敗しちゃってたことに気づいた。
先生が手術説明を夜するかも、と言ってたことで、看護婦さんにも「家族の仕事の都合もあるので、夜でお願いします」なんて言ってきちゃったんだけど。
私は当たり前みたいにそんな言い方してきちゃったけど、それって違う。
先生の本来の勤務時間はおそらく8時-5時とかになってるに違いない。
それがいろんな事情で遅くなってしまっているのでしょうに、最初からそれを当て込んで自分が先回りして夜に時間を取ってもらうなんて間違ってる
誰だって仕事が終わったら早く帰りたいし、家庭の事情があるのは先生だって一緒。それに、翌日は長時間の手術が待っている。
私が全摘した日の朝だって、外来は9時からなのに形成の先生たちは7時半くらいにはもうみんな集まっていて私を診てくれてた
それに、考えてみると、この先生の外来担当は火曜日で、私が手術したのは火曜日だった。
ってことは外来の途中で抜けだして(予約を入れてなかったのかもしれないが)乳腺外科の先生と交代してエキスパンダーを入れてくれてたことになる。
先生や看護婦さん、病院で働く人のシフトを患者の私があれこれ思うことはないのかもしれないが、仕事とはいえ、多くの人々の熱意や善意、思いやりの中に自分がいることは確かであり、絶対にそれを忘れたらいかんのだ。
今年はツツジの当たり年? いつもは咲くことのない拙宅のツツジさん達(ほんと、全然咲かないんですよ)も珍しくそこそこに賑やか、季節の流れを感じますねぇ
さて、15日の続き。
予定通り検査を終えて形成外科へ向かいましたら、その日は珍しく1時間以上待った気がする。
胸の状態をチェックして「はい、いいですね、これでいきましょう」とお腹と胸の写真をいろんな
角度からデジカメで撮影。顔は入っちゃいませんね、多分
外来の診察室には撮影用のスクリーンがすでにちゃんと用意されており、写真を撮っている間は看護師さんがドアに鍵をかけてくれてました。
「14日からの入院で午後に健側の胸を型取りします。その型の中に取ったお肉を入れてつくります。
その後、夜になるかもしれないけど診察してもう一度手術の説明、手術当日はICUに入ります」
「ICUに入るんですか?」
「そうです。普通のベッドでは寝られないしね、どうしてもお腹がひっぱられる感じになるから
こんな形で休むんですよ」と先生がお腹をかばって屈んでる姿勢を。
「次の日部屋に戻って、次の朝から歩く練習(って言ったと思うのですが、その次の日の朝部屋に戻って歩く練習も始めます、って言われたのかも?ちょっと定かでない)。入院は8日から長くても10日かな。そのあとのことは日帰りでやっていきますからね」
なんて言われながら、背中にキズがあるかどうかも聞かれたけど、どういう意味があったんだろうかな、聞いてみればよかった。
「しばらくはお腹が痛んで歩くのがちょっと大変ですが、帰る頃には普通に歩けるようになってますからね」
お腹はこういう感じになります、と下腹とその上をちょっと引っ張られる。
しめしめ、出っ腹が引っ込みそう
「あと、他になにか聞いておきたいこととか、ありますか?」
うーん。特に思い浮かぶこともなく。これまでいろいろ教えてもらってるし。
「胸のハリ感とかどうですか?」
「張っている感じは相変わらずわからないです。たまに痛いときとかあるけど」
「肩とかは大丈夫? 凝ったりしてませんか?」
「あ、それはあります。この頃はずっと肩が凝ってて頭が痛くて。先週は毎日頭痛薬も飲んでたんです」
「頭が痛くなるほど?」
「はい。左の肩は腫れちゃうし、右もなんか腕が痛かったりして」
「ああ。それは今、バランスが悪いでしょう。そのせいだと思いますよ」
「え、そうなんですか? てっきり歳のせいだとばかり思ってたんですけど」
「歳のせいとかじゃないですよ(←と断言してくれちゃったりして、なんて優しい先生なのでしょう!)
それだけバランスが違えば普通でない状態ですから、どうしても負担がかかってくるから。
肩が凝って痛い、って言われる方は多いですよ」
「胸の創はどうやってきれいになるんでしょうか? 写真とか見ると全然目立たなくなってますよね」
「あれ、胸のキズひどかったっけ?」なんて言われて。
(…だって、先生、前に縫い直す、って言ってくれてたじゃん、形成と外科の縫合は違うから、って)
「ケロイドみたいになってはないですけど」
「そうですよね、ケロイドにもなってないし、イズミさんのはキレイな方です。でも、気になります?」
なんて言われて、もう一度キズを診てもらうと。
「あー、確かにここ、ギザギザになってますねぇ。じゃあ、キレイにしたほうがいいかな」
なんて言われて看護婦さんも一緒にブンブン頷いてくれる。
「そうだ、先生。全然関係ないんですけど」と手のひらを開いて見せて。
私の人差し指には2,3歳の頃にカミソリで切ってしまったのを縫ってもらったあとが残っている。
当時、外科の看護婦をしていた叔母のところに母が急いでとんでいき、ビンボーだった我が家は突然のことに医者に診せることも大変だったそうで、叔母が先生に内緒で慌てて縫ってくれた痕。
母と叔母、どんな思いで幼子の手を見つめていたのか。
幸いなことにパッと見、手を開かなければそれが人にわかることはないし、第一関節を自分の意志で曲げることはできないけれど、ほかより多少太くなり先に向けて少し曲がっている程度の指は生活するのに特に支障はない。
「ああ、これは…。うーん、中の腱が切れちゃってるんでしょうね。手術してみても、うーん、ちょっともう難しいかな」
「生活に支障ないから先が曲がらないのはべつにいいんですけど、まっすぐにならないかな、と思って」
「赤ちゃん?2,3歳? ちっちゃい頃のことだから、腱を結ぶのは難しかったんでしょうね」
(先生にはそんなこんなの事情は話してません)
「これでもう、ずっときてることだからね。この状態がずっと続いてたわけだから」
「ああ、そうか、そうですよね。もう50年もこのままできましたから」
「え、50年?(電子カルテを見て)あ、本当だ(笑)
でも、やってみる価値はあるかもしれませんよ。うん、やってみる価値はあるかも」
とはいえ、そんな相談してみたところでしばらく手術すれば家事ができなくなるだろうし、現実には難しい。
胸の再建と同時にやってもらえたらありがたいけど、そんなわけにはいかないもんね
では、よろしくおねがいします、ということで診察室を後にして。
廊下で看護婦さんに入院についての注意事項等を聞き、予約センターで入院予約してその日は終了。
だけど、私、後でちょっと失敗しちゃってたことに気づいた。
先生が手術説明を夜するかも、と言ってたことで、看護婦さんにも「家族の仕事の都合もあるので、夜でお願いします」なんて言ってきちゃったんだけど。
私は当たり前みたいにそんな言い方してきちゃったけど、それって違う。
先生の本来の勤務時間はおそらく8時-5時とかになってるに違いない。
それがいろんな事情で遅くなってしまっているのでしょうに、最初からそれを当て込んで自分が先回りして夜に時間を取ってもらうなんて間違ってる
誰だって仕事が終わったら早く帰りたいし、家庭の事情があるのは先生だって一緒。それに、翌日は長時間の手術が待っている。
私が全摘した日の朝だって、外来は9時からなのに形成の先生たちは7時半くらいにはもうみんな集まっていて私を診てくれてた
それに、考えてみると、この先生の外来担当は火曜日で、私が手術したのは火曜日だった。
ってことは外来の途中で抜けだして(予約を入れてなかったのかもしれないが)乳腺外科の先生と交代してエキスパンダーを入れてくれてたことになる。
先生や看護婦さん、病院で働く人のシフトを患者の私があれこれ思うことはないのかもしれないが、仕事とはいえ、多くの人々の熱意や善意、思いやりの中に自分がいることは確かであり、絶対にそれを忘れたらいかんのだ。
by izumi_h23
| 2014-04-27 21:20
| 乳房再建(腹直筋皮弁術)
とあるアラフィフのグータラ日誌。 たまに部分切除して二カ月後に全摘、その一年後、自家再建した乳がんのこととかも。
by izumi_izumo
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